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月刊広報誌 熊本羅針
政策コラムのページです。
第16回経営研究集会第3分科会に参加して 2012年2月号

報告者の木村仁氏は、まずまえおきに「昨年6月18日、中小企業憲章が閣議決定された事は、同友会のみなさんの7年にわたる運動の成果であり、歴史的な文書です」とおっしゃいました。たいへんうれしく、深い感銘を受けました。
報告の内容は、熊本市振興基本条例制定の今後の運動の参考とするため、イタリア北部の人口40万人、ヨーロッパで最初に大学が作られた都市、ボローニャ市における個性的で先進的な街づくり、企業づくりのエッセンスを学ぶというものです。
一番心に残ったことは、「地区協議会」を設置し、地域住民が討論を重ね、住民の「日常」を大切にする政策によって、中小企業、商工業、職人の街として発展した事です。
それまでのボローニャの都市計画は、ことごとく失敗しました。失敗の原因は、歴史的持性と地域住民を無視した「大都市的発展」を前提にしたものであったからです。そこで、ボローニャの市民は、「四つの誓い」を立て、取り組みました。1つ目は、第二次大戦の復興のためには、女性の力が必要でした。(多くの男性は戦いで亡くなった)そこで、「女性が安心して働くことができる環境をつくるため、公共保育所を建てよう」それが街づくりの第一歩でした。2つ目は、「中心部の歴史的建造物と郊外の緑は、市の宝である。これを保存し維持しよう」。3つ目は、「投機を目的とした土地建物の販売は、お互いに禁じ合おう」。4つ目は、「市内の職人企業会社を無計画に増築しない」。増築する時は、街の景観を守るために熟練した職人による分社化を進め「競争と共同」の申し合わせを決めました。
そして中小工業者と市民と大学が「社会的共同組合」を作り、この連携が大きな力を発揮し「都心に潤いと厚みを取り戻す努力が行われ個性的な街づくり」へと発展しました。やはり立場が異なっても理念を軸として論議を尽くし、市民と職人企業が連携することが大切だと思いました。
イタリアでは、「独創性の乏しい人は、大企業で働き、個性的で創造力のある人は、自らの会社を興す」と言われています。旺盛な「企業家精神」で起業する人たちに市民は、「使ってやろう、買ってやろう」と思いやりのある姿勢で向き合い、街づくりには企業の「創造性」と「即効力」が生かされているとのことでした。
木村氏の報告で、企業づくり、街づくりには、同友会の三つの目的の一つ「良い経営環境をつくろう」に重なると思いました。
現在、中小企業を取り巻く地域経済は、リーマンショックと、東日本大震災による原発事故の二つの歴史的危機に見舞われ、そのすべてを前提として経営課題に正面から取り組まなければなりません。だからこそ、熊本県・市・町・村の「地域振興基本条例の制定と条例の見直し、活用」が必要だと思います。
熊本同友会の政策委員会は、「熊本市中小企業基本条例制定準備会」を設置しました。そして、熊本学園大学の出家健治教授を主軸に6名の経済専門家のご指導をいただきながら、今年8月から10月まで計6回の勉強会を熊本市担当職員の方にも参加いただき開催しました。
これからも、この学びを活かし、条例制定に向け多くの活動及び取り組みを予定しています。他の団体への参加の呼びかけと共同協力活動、振興条例の理念と先進市への視察訪問、講演会、条例内容討論、市場調査、市民の意見を募るパブリックコメントなど順次行います。そして、市議会各派に対する説明、賛同活動、活性化会議設置準備を進め、市議会へ提案「全会一致の採択」を目指します。実効性のある条例を制定し、活かし、この条例が地元住民の絆となり「地域づくり」や「まちづくり」を産官学と連携し進めます。
今後も多くの会員が会議に参加いただき共に学び合うと共に、皆様の更なるご協力、ご指導を頂き、だれもが幸せを実感できるような「熊本づくり」を一緒になって取り組んでまいりましょう。
(有)田尻石材工業 営業部長 田尻 ヤス子
(政策委員会 憲章・条例担当長)