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月刊広報誌 熊本羅針
東日本大震災 支援する仲間たちのページです。
九州電設(株) 代表取締役 穴井 憲義 2012年5月号

先般、2月22日『みやざき中小企業経営フォーラム』に参加して来ました。
特別報告で岩手の田村社長は、震災後の同友会の対応と取り組みについて、「高台で難を逃れたこの事務所が、迅速な対応で被災者への物資搬送やけが人などの救護の拠点となり、『一社もつぶさない、つぶさせない』を合い言葉に、復興に向けた岩手同友会の取り組みが始まった」そして最後に「地域を残す力は、私達中小企業にある」と、熱く語られました。
八木澤商店“河野会長”の基調講演は感動的でした。この会社は、すべての財産を失いましたが、「一番の宝は社員」、現在も社員を一人も解雇せず営業を続けています。人間の強さを感じると同時に、窮地での人間の生きる事への執念を見た思いがしました。
当時河野会長は社長でした。当日は東京に出張中で、やっとの思いで帰社、その間、息子さんが会社を守り、今後の対策を練っていたようです。
河野会長は帰社後現状を見て、『廃業』の言葉が頭をよぎったそうです。しかし継続にこだわったのは、息子さんでした。それも「誰一人解雇しない!」「二人の新規予定者も採用する」と言い張り、河野会長を説得しました。全社員を集めた4月1日の入社式ではその宣言と共に、社長に就任したそうです。
会長も偉いが息子さんも偉い、現在、社員全員の給料を払い続け、会社の再起に向けての準備や、地域の再生に向けてのボランティア、そして卸してもらった味噌・醤油販売で営業を続けているそうです。
悪い話ばかりではありません。その後、技術研究所で八木澤商店の麹が見つかったそうです。震災2ヵ月前に研究用に持って行った麹だそうです。2年後には、今までと同じ商品が販売されるそうです。
会長は「今、どうにか前進出来るのは、皆さんのおかげです。多くの人達に助けて頂きやっとここまで来ました。本当にありがとうございました」と。しかしこれも、地域を大事にし、社員を大切にする八木澤商店の社風の賜、ただ頭の下がる思いです
最後に1枚の紙を渡されました。それは「士幌町(しほろちょう)中央中学校の生徒憲章」1996年を記したものでした。
この子達も今は30歳前後、この憲章を読んで「日本の若者は大丈夫、私達も、もっと真剣に生きなくては」と思うと共に涙があふれて来ました。私達中小企業経営者の多くは、領域に於いてリーダー役を果たしている人達が多くいると思います。私達はこの士幌町の中学生に負けてはいけません。
分科会は、第1の『震災や口蹄疫からの復興を担う企業と人々』に参加しました。前出の『田村社長』、それに『中村代表』の報告を、『宮崎大学の根岸准教授』がコーディネートされ、中小企業と地域の関わり、絆の必要性、そして「地域力経営の実践こそ重要であり、現在同友会が取り組む憲章・条例推進運動を進め、元気な地域を作ろう」とまとめました。
私は、今後日本を引っ張るのは、この被災地であり被災者だと思います。彼らは私達には想像も出来ない苦難を受けました。しかしその苦難は、これからを生きる大きな力となって返って来ると思います。
最後に、私は「九州では憲章・条例は熊本が進んでいる」と思っていましたがそうではありません。私達は大事な事を忘れています。「多くの会員に憲章・条例の意味をしっかり伝える事、同友会運動の本質を伝える事」です。その意味では宮崎同友会は、地に足を付けた運動をしています。
このフォーラムは今年で20回目だそうです。400名ほどの会員が、800名近くの人を集めて行われる『みやざき経営フォーラム』、今後「宮崎同友会にもっと目を向けよう」と思ったフォーラムであると同時に、本当の経営に気づいた講演でもありました。
九州電設(株) 代表取締役 穴井 憲義
(大震災交流・復興支援本部熊本 副本部長)