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月刊広報誌 熊本羅針
各界からの提言のページです。
市民の生きがいを連携して囲い込みましょう
- (株)熊本放送 代表取締役社長 笠 日出臣 -

私達放送局は今、かつて経験したことの無い窮地に陥っています。
カラフルでドラマチック、チョー笑顔で語りかけるテレビ画面の派手なイメージから、多くの人達はその真相を想像することさえ無かったし知る由もなかったようです。
しかし、週刊ダイヤモンドや東洋経済が大見出しで「テレビ崩壊」を特集して以来、一般誌や新聞が次々にこれを取り上げ、人々の耳目をかき立てるようになりました。
週刊誌の論調は全編攻撃的でやっかみも感じられ、その内容すべてを鵜呑みにすることは出来ませんが、指摘された問題点のいくつかは的を得ていて、私達は大いに反省しなければなりません。
サバイバルの鍵は地域密着主義
ではなぜ窮地に陥ったか?民放とりわけローカル民放の経営者を悩ます三重苦があります。
それは、①1局あたり55億と目されるデジタル投資であり、これを回収する術は未だに見当たりません。
②は、インターネットの進行と番組コンテンツの不満に伴う視聴者のテレビ離れの現象です。
③つ目は、突然押し寄せた世界同時不況であり、東京はもとより地域の実体経済にも深刻な影響を及ぼしています。
民放は広告収入で生きています。今年度の売り上げ見通しをキー局でさえ90%割れを予測している程です。
また、この状況下で不愉快な副産物が相次いで発生しました。「やらせ」や捏造など放送の信頼性を損なう不祥事が続き、今、放送現場では取材体制や制作過程の点検とコンプライアンスの再構築に余念がありません。
これらの反省を一言で言えば、テレビ本来の使命感を再確認することであり、変容する時代の要請に応えてマーケティングを練り直し、自らが構造改革をすることです。
放送媒体以外の事業も戦略化します。特に地元生え抜きの民放であるRKKにとって創業の理念である「地域密着主義」はサバイバルの中で、より強固なものとなるでしょう。弊社のグランメッセの指定管理事業やRKKカルチャーセンターの旗上げは、その具体例です。
多様性と持続可能性のマーケティングへ
アメリカの反省にもあるように、強欲な覇権主義や一国中心のグローバリズムは人々の幸せには結がらないようです。世界は地球温暖化防止や緑・水資源、食糧の確保など人類が希求するものを産業政策化することに力を注ぐでしょう。
また、大袈裟な話ですが、地球が数億年かけて様々な地形・気候・風土を形造ったように人類も数千年かけて様々な固有の文化を作り上げてきました。
まさに多様性(ローカリズム)こそが歴史の帰するところと思えます。
グローバリズムは多様性(ローカリズム)を維持発展するシステムやツールとして役割を担うべきと思います。
翻って熊本には全国に誇るべき多くの資源があります。
市民の生きがいやライフスタイル、消費行動の変化は、その赴くところ熊本の資源と十分にマッチしています。
市民の求めるもの即ち緑・水・大自然・農産物等々をマーケティング化しましょう。
私達地元局は種々のキャンペーンを張ります。皆さんの企業も参加して頂きたい、マーケティングに社会性を加味して頂きたいと思います。
現下の危機を何とかクリアして熊本に「持続可能な消費市場」が出来たらと願っています。